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「ってなワケなんですよねー」
抹茶の最後の一口を飲み、話終える。
吉田の言葉に嘘は感じれなかった。おそらくは本当のことなのだろう。
「お前は……」
「?」
「選ぶのか、向こうを?」
山崎らしからぬ、不安そうな表情で訊ねられる。
「向こう、って……平成のことですか?そうなら、私は……」
まだ分からない、そう言おうとした口を、塞がれた。
山崎の唇で。
一瞬で離れたが。
思考が停止するのとは逆に、心臓は活発になる。
「…………な、にを」
「すまない。川瀬。聞いてくれ」
ギュッと抱き締められる。
山崎の心臓の音も速かった。
「――――好きだ」
「…え」
「向こうを選ぶという言葉は、聞きたくなかった」
訊いてきたのは山崎なのに。
答なんてまだ出してないのに。
(勝手な人だなぁ………意外)



