********* 「今、なんて言った?稔麿」 「やー、ははっ。桜ちゃんにあの事を言っちゃったー」 反省もしてない様子でゴメンゴメンと謝られても……怒りしか湧いてこない。 「で?桜はどうだったの」 「やっぱり困惑してたよー」 だろうね…。 俺は溜め息をひとつ吐く。 でも、これで思い出してくれるのが早まったら、それはそれでも良いな。 「はやく…見つけなきゃ」 『僕』は『さくら』が大好きで 『俺』は『桜』が大嫌い。 見つけたいんだ。 はやく。 月を眺めて君を想う。