ヤバイヤツに恋をした★恋する通学電車

でも、よく……バレる。


「聖、解けたら言ってよ?……あ、もうできたんだ?」


パッと視線を上げた氷上さんと目が合った。


「あぁ、今言おうと思った所……」


なんて、咄嗟に嘘をつく。


氷上さんがオレの隣に立ち、問題集をのぞきこむ。


「あってるけど……もっと楽な解き方あるよ。ココはね……」


今やってんのは、数学。


氷上さんは大学一年生で、女子だけど工学部に進んだ。


そんなオレも、一応理系志望。


3年後、同じ大学に入れば……


なんとか1年間だけでも、一緒のキャンパスライフを送れるよな。


なんて、密かに思っていた。