ヤバイヤツに恋をした★恋する通学電車

オレに問題を解かせてる間、氷上さんはうしろに座って本を読んでる。


オレが推理小説を読むようになったのは、


氷上さんの影響で、だ。


同じ本が読みたいから……。


今日は何読んでんだろな。


静かに振りかえると、氷上さんは床に座っていつものように本を開いてた。


本に集中している氷上さんを見ると、わざと問題をゆっくり解きたくなる。


少し首を傾げ、長い髪を耳にそっとかける仕草とか、


たまにつく小さなため息とか……


ひとつ残らず見つめていたくなる。