ヤバイヤツに恋をした★恋する通学電車

私……彼女気取りっぽいかな。


そんなつもりじゃなかったんだけど……。


「あ……。ありがとな。自分で立てる」


結城くんはやんわり笑うと、肘掛けに手をついて、


ゆっくりと立ち上がった。


……しばし沈黙。


たくさんの人に紛れ、ホールを出る。


音楽祭の間眠りこけてたわけだし、特にする話題もない。


何話そうかな……。


「結城くん、トイレ行ってきていい?」


「おぅ。オレ、あっちで待ってる」


結城くんは片手を上げ、受付のそばの階段へと歩いて行った。