さっきから菅沼さんの集中力はハンパない。


脇目もふらず、必死んなって小説読んでる。


すげーな。


この場で読みきりそうな、そんな勢い。


そういや……。


オレに話したい事って、なんだろな。


じっと見てると、菅沼さんが顔をあげた。


「結城くん、ごめん。読みふけっちゃった。……これ、面白い」


「だろ?タイトルと見ると、どんなだ?って思うよな。

妄想って……」


「うん。けど……共感できる所あるし……」


……共感?