「はい」


「ありがとう。大切にするね……」


結城くんから本を受け取り、胸に抱き締める。


「いや。ただの推理小説だし、読んだら売っていーよ」


売る?


そんな、滅相もナイ!!


「たっ……宝物にするから」


私がそう言うと、結城くんは一瞬首をひねってた。


……だよね、妄想族だよ?


「あっ……あの、この作者……好きなの。以前、集めてた事あるの」


……脂汗が額ににじむ。


推理小説好きな結城くんだから、私の本当の気持ちを


……もしかして、推理しちゃってたりして!?