ヤバイヤツに恋をした★恋する通学電車

そして、手のひらをクルッと返された。


「それ、落としましたよ」


えっ?


それだけ言うと、結城くんはスタスタ歩いて違う車両へと消えていった。


手の上に残された小さなハートのチャーム。


慌てて、自分のカバンを確認する。


カバンにつけてたチャーム……落ちたんだ!?


しかも、結城くんに拾ってもらえるなんて。


あ~、しまった。


もっときちんとお礼言えば良かったよ。


せっかく話しかけるチャンスだったのに……。


……お礼、言いたいな。


けど、今さら?