「姫君……。」 橙枷さんにすがり付くようにして泣いた。 またあたしは無力なままだ。 傷つく十夜に駆け寄ることも出来ない。 外からは絶えず獣の激しい咆哮が聞こえてくる。 心花の為に大切な仲間に牙を剥いた紫月さん… あたしを守る為に…仲間を守る為に戦う十夜… すべては愛する者の為に ――――その牙を剥いている。