大きな狼は毛皮と同じ夕陽色した瞳であたしを見下ろした。 「若様に厳しく言い付けられております。 何があろうとも、姫君を外に出すな…と。」 落ち着いた物腰…あたたかな夕陽色の瞳…に思い当たる人がいる。 尻餅をついたままの状態であたしはごく…と唾を飲み込み、声を絞り出した。 「橙枷…さん…?」 狼は佇むだけで威嚇しているような大きな身体をそっと…まるでひざまづくかのように頭を垂れ、あたしの座り込んだ膝小僧に鼻先をつけた。