『・・・・・そろそろ名字で呼ぶの止めない?もう学生終わったし。』


・・・・・・・・・・・・。

今・・・・・。
今奥田君なんて言った・・・・・?

私の聞き間違え、とか妄想じゃないよね?


「えっと・・・。」

『友紀がどう呼ぼうと僕はそうするから。』


!!

私が言いよどんでいると、あっさりと私を名前で呼んだ奥田君。
順応早いな。

「えっと・・・ありがとう。」

とりあえずお礼を言ってみた。

当分この呼び方は変わらないだろうな、とも覚悟していたから。
それが奥田君から言ってくれるなんて!

嬉しくてしょうがない。

三咲にメールで報告しなきゃ!


『で?』

「でって何?」

『僕はまだ友紀から呼ばれてないんだけど?』


いきなりですか?!


「でも、名前だけ呼ぶのも変じゃない?」

なんか恥ずかしいし。

『そう?でも僕は呼んで欲しいけど。』


そんな事言われると・・・・・・。

「祐司・・・。」

やっぱり照れるよ!!

電話越しで見えないけど、私の頬は真っ赤だろうな。

『友紀も照れる事あるんだね。』

・・・・・奥田君。
それは私に対してちょっと失礼では?

思わず呼び方も元に戻ってしまう。

「だって名前だけ呼ぶのって照れるからー!」

『可愛いね。友紀。もっと呼んでみて?』

「ちょっと待ってよー!」

『友紀。もっと呼んでって。』

「なんか祐司、おもしろがってない?」

そろそろそんな気がしてくる。