「そんなに好き?」

「………、好きぃ。
好きだよぉ。
だから、だから、やめて?
先生が悲しむ。
そんなの、嫌だから!」



すがるような細い腕。
小さな手は俺に触れる。

ねぇ、さっきは触らないでって言ったよな?


ねぇ、さっきはっ……



「言う通りにするから、ね?」





細い指は俺の頬を滑り撫でる。





「お前は本当に残酷だよ。」



俺の想いなんか無視して、自分自身の事なんかほっぽって、結婚する奴だけの事を想うなんて。