お父さんは本当に良いお父さんだった。 あの日だって、次の日遠足に行くって指切りして約束してたのに。 お父さんが約束を破ったのはあの日が最初で最後だった。 目頭がじわじわ熱くなって、絵の具がにじむみたいに、世界がぼやける。 今さら泣く理由なんてないのに。私のバカ。 お父さん… どうして死んじゃったの? 街で誰かの結婚式を見かけたとき。 『もえか、素敵なおよめさんになる!』 そう言った私に、「結婚式が楽しみだな」って。 お父さん、そう言ったじゃん。