「ちょっと…いいおろして…」
お姫様抱っこで
翔太君に抱き上げられた
「おろさないよ…。お嬢さん部屋に案内して下さい」
「かしこまりました。どうぞ」
小さい女の子はたたっと
先頭に立って
廊下を歩いて行った
……。
部屋についたら
すとんとおろしてくれた
後から美帆達がはいって来た
「みちる…このバカッ!迷子とかいくつよ、あんたは…」
「ごめん。迷っちゃって…工藤君もごめんね」
ペコと頭を下げた
せっかく
連れて来てくれたのに
迷惑をかけてしまって…
「いえ…。槌谷さん見つかって良かったです。」
工藤君はあんまり
気にしてない風だった
「まぁ見つかって良かったわ、じゃあたしらは先に帰るわ。ごゆっくり」
「…え、あたしも…」
美帆はくいと後ろをさした
「彼氏と帰んなさいよ。ちゃんと話すのよ。旬、さっきの事朝まで問い詰めてやるんだから覚悟なさい」
「じゃ……」
スパン!と戸を開け
美帆は工藤君を
連れて部屋を出た…
「……翔太君」
「なに俺に話って…」

