「まぁ…ある程度付き合いてもんがあるけどさ。あんた結局なぁんにも話してないんでしょ」



「…うん。」




やっぱりね と言った



「言わなきゃ分からないわよ。例え相手を傷付ける言葉でも言わない方が、まだ傷付けてんだから…」



わかってるよ…。

翔太君は笑っていた



「……うん。」




美帆は あぁーと頭をかいた



「あんたたち結婚すんでしょ…?今そんなんでどうするのよ!………」






コンコンとドアが叩かれた
美帆は、誰よ。と叫んだ



「工藤だよ。」




ドアまで行って勢いよく開けた



「なによ旬。いま取り込んでんだけど…」




「美帆さん元気だね。廊下まで聞こえてたよ」



「悪かったわね。」



とりあえず
工藤君を中に入れた




「…ねぇ美帆さん。さっき話聞いてたから分かるんだけど、神田さんやっぱり祇園行くみたいだよ。」




淡々と工藤君は話した
美帆は どこよと聞き返した




「『櫻屋』。どうせ行くんだろ?」





ふっと工藤君は
笑顔で私と美帆を見た