「…せっかくだから町で撮ろうか。風情あるからなぁ京都は…」
「構いませんけど。……先輩」
千広先輩は、ははっと笑う
「大丈夫だよ。変な目的で撮らないから…ほら肩の力抜く…普段通り…な?」
小型カメラをかまえた
千広先輩に苦笑した
「…はいはい。」
すこし楽になった…
千広先輩が
明るく話してくれるから
「町谷の家の挨拶はどうだった?疲れたか」
「多少…。美帆のお父さんが反対して、美帆もそれに反撃して……、」
なんで警官と結婚
しなきゃいけないのよ…!
「壮絶だったろうな…。町谷の事だから何としてでも押し切りそうだけど…」
「……きっと上手くいきますよ。やっと美帆が気に入る人を見つけたんですから」
暮れない空を見ながら思った
じゃああたしが見てる
あんたの事ちゃんと見てる…
あたしが結婚しようが
何になろうがみちるが
幸せになるまで見てるから…
ちゃんと幸せになって
あたしを安心させなさい…!
専門学校の頃に
親の事を話したら
美帆は涙目で言ってくれた
ああ言っていた
美帆も本当に結婚する…
甘えてばかりいられない

