それから数十分後…
工藤君が教会の中に入って祭壇の前に来た。
格好いい…
よく見たらイケメンじゃない…
囁き声がひそひそと聞こえた
工藤君は一応イケメンだ…
まぁ癖があるけど…。
タラン
と…教会のオルガンの音が聞こえた
新婦が入場する時に流れる曲だ
囁き声は消えた
会場は一気に厳かになった
教会の扉が開いた
白い影が見えた
美帆と美帆のお父さん
ゆっくりとバージンロードを進んでくる
何も言わず前を向き 祭壇に進む
横顔は凜としていた。
-幸せになるわよ。
『くじら』を撮っている時にホテルで美帆は笑いながら言った
彼女はその通りになった
祭壇まで来て美帆は、美帆のお父さんから工藤君に引き渡された
軽く手を出した工藤君の手の上にのせ、かすかに笑ったのが見えた
工藤君もふっと笑っていた。
-やっぱり俺の事を見ていて欲しかったんです。だから美帆さんに悩んで答えを出して貰いました。
あの時 酔っぱらった美帆の横で工藤君は呟いたのが遠い昔みたいだ

