「このバカ、やっぱり好きなんじゃない。てかそうじゃなきゃ100%おかしいて思ってたわよ!学生時代から!」
はぁはぁと
息を切らして喋った
「落ち着いてよ美帆。好きなんて…、あたしだって驚いて…」
「はぁ……断りゃ済むけど、千広さんは駄目だわ。神田弟と同じくらい黒いもん」
黒いって…
千広先輩は黒くは…
「…でもわたしは…翔太君が好きだし。結婚の約束だって…」
あきらめたみたいに美帆は呟いた
「それを知らないでしょ、千広さん。何が何でもアンタを落としにかかるわよ、神田弟も迂闊な事出来ないし…」
「まさか、千広先輩は、そんな事は…しないよ…」
何が何でも落としに…。
千広先輩はそんな人じゃない
優しいし真面目だし…
「あんたは千広さんを信用しすぎ。彼だって男なのよ…?」
槌谷ぁ…!
……。
「あからさまに避けるなよ、槌谷。なにもしないから…」
「……はい、すいません。」
仕事なのに…
わたしは千広先輩を避けてる
千広さんは知らないんでしょ、
「…町谷も見張ってるみたいだし、俺はあんま信用ないみたいだな。…町谷に」
美帆は メイク道具を持ちながら移動してる
けど どこかから
千広先輩を見ている…

