私は台所とリビングを往復しながら
翔太君が出るの待っていた
怜一さんが亡くなって30年立ったから作品をリメイクする
それも神田怜一の息子・神田翔太を起用して
『それでは。東条薫役の神田翔太さんの挨拶です』
翔太君だ
しゃもじを持ったままリビングに座り込んだ
『“東条薫”役の神田翔太です、まずこの作品を舞台化すると聞いて驚きました。ですが亡き父の神田怜一主演の作品を息子である自分が演じる。これほどにやりがいのある舞台はないと考え、“東条薫”役を引き受けた次第です。』
しっかりした受け答えだ
その後の記者や司会者の質問にも翔太君は明確に答えていった
『最後に一つ私事になるのですがよろしいでしょうか?』
司会者に確認した後 向井監督を見た
監督は軽く頷いた
翔太君はではと切り出した
『…遅くとも来春、僕はいま付き合ってる女性の方と結婚します。女性は一般の方です。』
会場がどよめいた
まさか記者も予想はしてなかったのだろう
一斉に翔太君にフラッシュがたかれた
『いままでずっと付き合っていたんでしょうか!?』
『一般の方とおっしゃいましたが、職業は何を!!』

