あたしはなにも間違ってない。
ちゃんと夢を仕事にした
今更なにを
後悔するんだろう…
女優にならなかった事?
「…槌谷ぁー。レンズ替えといてくれ~」
「はい。」
機材のあるところ
にあたしは走った…
「槌谷~」
「あぁ千広先輩。お疲れ様です、」
――夜。
撮影も終わって
わたしは旅館の外を
ブラブラしていた…
「お疲れ、なんか気持ち落ちてんなぁ。大丈夫か?」
「はい。ちょっと…」
千広先輩はそうかと言った
「別になにもミスはなかったけど…。なんだカメラ嫌になったのか?」
「嫌とかじゃなくて。その分かんなくなって…いまさらですけど」
そうかぁと笑った
「今更なんてないよ。分かんなくなった…かぁ。あるよ俺もそういう時、この仕事で良かったのかて…」
先輩もあるんだ。
分かんなくなること
「……したらさ一番初めを思い出すんだよ。カメラを握った時、初めて自分の撮った画がテレビにうつったとき。」

