ウラコイ2 銀幕の旦那様





「…」


「妬かない訳ないけど、それ言ったらキリがないじゃない。俳優だもの…」







「……確かに一理ありますね。」






そういう覚悟も
持って彼と付き合うって決めたんだから…






「槌谷さんは女優になりたいとは思わなかったですか…?」



「…あんまり、でもたまに思うよ。もし女優だったら…どんなに良いだろって」





堂々と彼と付き合えて



同じ役者としての
気持ちも少しは分かっていられた…




あの人…美麗さんについていったら


女優を目指したかもしれない


一条さんがいまは
同じ女優を目指してるように…



彼女はあたしが
選ばない道を行った



彼女ははもしかしたら
あたしがなるはずだったかもしれない



もう一人のあたし








「けどあたしはカメラが好きだし…いいの。」





翔太君だってカメラマンの
私を褒めてくれてる





それだけで いい…。










翔太君は一条さんと話していた



工藤くんはなにも
言わず傍にいてくれた