尊敬している神田怜一
の息子が彼氏だと言ったら
千広先輩は
わたしをどう思うだろう…
「撮影入るよー。皆位置についてね~」
「はい!」
海江田監督の
のんびりした声が響いた
『先生…なにも仰ってくれないから…あたし心配で』
『言いたくないんです…。ただの僕の私情です、君が……離れていくんじゃないかて……』
『先生……』
藤堂先生は
瑠璃子を抱き締める
シン…としている
『なにも言わずこうしてて下さい…』
先生は何も言わない
『…二階堂さんは戻ってきませんね。いい友達ですね…』
「はいカット!」
ガヤガヤと現場は賑やかになる
翔太君はメイク
直しつつ映像を見ている
「……妬いてます?槌谷さん」
「工藤くん……。居たんだ」
「ずっと照明の具合ここで見てました。…ついでに槌谷さんも見てました」
工藤くんは
前を向いたまま話す

