潤さんとは違う人だと感じた


「…親父が物書きで小さい時からなにか書くという仕事に就きたかったんです。」



そうやって静かに自分の夢を話してくれた



静かに話す口調に隠れている揺るぎない自信




なにより鋭い目に少し魅力を感じた












「潤さんは優しかったわ。私の夢も応援してくれた、……けど私はそれだけじゃダメになってた」


「…。」



それからすぐ一条さんと
付き合いだした







結婚してることは伏せて…




いつかはバレるとわかっていた
けれど私は彼を好きになっていった




潤さんが嫌いなわけじゃない


でも潤さんにないものを彼がうめてくれる



優しさではない何か…

それが何かなんてわからなかったけど…









なにより若さと自信に溢れていた
彼は他の誰よりずば抜けていた




才能もあった

デビューして半年したときに受けたドラマが売れて

彼は一躍人気脚本家になった











その頃の私はあまり家に帰らなくなっていた




みちるもずっと彼…潤さんに預けていた







なにをやってるのだろう


これじゃあ母と同じだ。
子供を置いて…他の男と付き合って…