やめようかと何回か思った。
だって 売れないのだから
「申し訳なかったわ、マネージャーや母、おばあちゃんに、潤さん…会社の人…たくさんの人に迷惑をかけて。でも…戻りたくはなかった、意地になってたの、私」
「美麗さん」
「…潤くん。ごめんね、ちょっとぼうっとしていた」
あの人を君付けで呼ぶようになった時
「大丈夫、疲れてるんじゃない?」
「そんなことないわよ…潤くんこそ疲れてるんじゃないの?」
潤さんは 大丈夫だよと笑いながら言った
潤さんが心配してくれてるのはわかっていた
彼はあるCMを撮影してそれで賞をとったらしく
何かと忙しくなっていた
忙しくなる彼に
忙しくないわたし…
気を使われるのが申し訳なかった
申し訳なくてちゃんと
したいのにちゃんと出来ない
気持ちのいき場が見つからなかった
誰にもぶつけられない。
逃げる事も出来ない…。

