たくさん我慢して
たくさん悩んで
離れようかとも思った
でも彼は嫌だと言ってくれた
『わたし』を選んでくれた
目頭が熱くなる
泣いてしまいそうだ…
「みちるさん」
「…」
翔太君はそっとテーブル越しに
手をのばして頬に触れてくれた
「泣きそうな顔をしてる。」
さっきとは違い心配そうな顔をしてる
「違うよ。これは嬉し泣きだから、泣いてもいいの」
「本当に?」
「ほんと、」
「……」
つーと涙が流れる
「涙って嬉しくても出るんだね…わたし出ないものだと思ってたのに、」
翔太君は なにも言わなかった
ただ黙って微笑んでいた
怜一さんに似たけれど
どこか違う優しい笑い方で
わたしが泣くのを見ていた
「いまからそんな泣いててどうすんだよ、まだこれから沢山あるよ。嬉しい事なんか」
「そうだね…なんかほっとしたのかな…」
早すぎだよと翔太君は笑った
チャララ~とケータイがなった
「ん…あぁ俺だ。一条さん」
「あ…」
翔太君はカチカチとケータイをいじった

