美麗さんのCMが当たって
槌谷君はすごく焦っていた
怜一さんは たびたび彼からの相談を受けるようになった
最後になって売れ出す…
「一時的なものじゃないのか、でもまぁいいんじゃないか?最後なんだから、夢くらいみさせてやってればさ」
「…」
「何だよ」
「怜一さん優しくなったかと思ったら相変わらず他人に冷たいんだなぁて…」
怜一さんは悪かったなと呟いた
「…優しくするのは苦手なんだよ」
槌谷君の思いとは裏腹に
美麗さんは一宮監督のオファーを受け
順調に女優の道を歩き始めていた
それなりに彼女も世間からも
注目を浴びるようになった
「あの…田中さん」
駐車場で車を待っているときれいな声がした
「あ…どうも。おはようございます…これからですか」
「はい…」
美麗さんは 嬉しそうに笑っていた
「良かったですね。女優続けられて…」
「えぇ、まさかあんな風に当たるとは思いませんでしたけど…」
「…あの、」
なにか と美麗さんは聞き返した
「美麗!時間よ!」
マネージャーが来て彼女は
お辞儀をし走って行った

