ウラコイ2 銀幕の旦那様




槌谷君には申し訳ないけど
諦めるには勿体ないと思った









ドラマの撮影が終わったあと
わたしは彼女と話せた




「あの…槌谷君と付き合ってますよね」



わたしが聞くと彼女は頷いた



「はい」


「…ケンカしていると聞いたんですけど、すいません。なんか…ベラベラ聞いてしまって…」




美麗さんは軽く目を伏せて言った

「いいえ。ケンカは確かにしています…けど私が悪いんです、ズルズル女優を続けて…しかも売れないから…わかってるんです。彼の言う事…」



「…失礼ですけどどうして、あまり仕事がこないのですか。あなたは別に演技は下手な訳じゃない。むしろ上手いのに…売れないって」


彼女は すこし笑って言った


「“完璧過ぎてつまらない”かららしいです。この業界は完璧な人間は売れないみたいなんです、あっちが要求した事をしてるだけなのに…。それに何かと私の容姿に問題をつけられるんです…美人過ぎる、主役より目立ってどうするんだって…」




「……そんなので、」



「仕方ありません…、」










マネージャーに時間よ と言われ彼女との話しは終わった





完璧過ぎてつまらない。


だから売れない…

おかしな理由だ。