…ほんとうに?
「みちるさん?」
「…えとごめん。なんか……翔太君。ごめん……ちょっと考えさせて、」
なにを考える必要があるの。
あちら側に…
私は行くつもりはない
ないけど 翔太君にはそう見える
…。
みちる。
一時期はそんな風に考えたことがあった
あちら側に
いけたらどんなに楽だろうと…
きっとわたしがいなくなっても
なにも変わりはしない…
私を必要だと
言ってくれる人はもういない
ただ毎日が変わらず流れていくだけ。
ほんとうにそれだけ…
ならいても、
いなくても同じじゃない
なんで わたし
ひとりで生きてなきゃならないの
お父さん、怜一さん…
まるで…遠い昔みたい
14才の頃
わたしは
何もかもが分からなかった…
一瞬で 地獄に突き落とされた
あの冬…

