撮影もなんとか予定ギリギリに終わった
海江田監督は
相変わらずのんびりしてる
“そんなに張り詰めてたらいいものも撮れないですよ”
誰かが焦る言葉をいうたび
監督はそう言う…
「ああ疲れた…お風呂入ってねたぁーい」
美帆は 部屋に帰ってくるなりベッドに倒れこんだ。
「今日押したからねぇ…、私ちょっと出てくるね。」
美帆は 旦那から?と笑った
「そう。なにか話しがあるらしくて…、先寝てていいよ」
「ルームキー持っていきなさいよー。」
ベッドに倒れたまま
美帆はだらしなく手を振った
部屋を出る
話し …結婚のことかなぁ…
7階のテラスに人はいなかった
「か…翔太君。」
名前を呼んだら振り向いて笑った
「ごめん、疲れてるのに、呼び出したりして…」
「いいよ。どうしたの…話しって何?」
翔太君は 口元だけで笑みを
浮かべ
まぁ座ろうと近くにあったらイスを指した
「みちるさんはさ、時々寂しくならない?」
「寂しく…なる時はあるね。たまに」
翔太君はなにを話したいの
「でもきりがないじゃない。寂しいなんて…」

