表の世界にいる彼女の娘…
裏でカメラマンをしている私
なんだか差…
みたいなものを感じる
「……」
翔太君はギュッと
抱き締めてくれた
「泣きそうな顔してる、泣いたらいいのに泣かないんだな…。みちるさん…」
「……きりがないから。」
涙は出そうなのに
あたまは明日の心配してる
明日に差し支えるから…
泣けない。
可愛くない 私
年はちゃんと取ってる…
子供の頃みたいにはもう泣く事は出来ない
「…しばらくこうしてる。俺も心配だから…、」
「ありがとう…。ごめんね」
「謝る事ないよ、彼氏として当たり前…」
『謝る事ないよ…』
さっき藤堂先生
役で言った台詞……
とても安心する、
何分かした後
ちょっと落ち着いた
「そういえば、さっき市村さんと…」
ふっと急に思い出した
「あぁ…気にする事ないよ。役者通しの意地張り合いだからさ…、」
「そうなんだ…。難しいんだね、色々」

