「みちるさん変。」





撮影は早めに終わり、
翔太君は私の部屋にきた




「…変って、」


翔太君は着物をラフに着ていた



「…何か雰囲気がおかしいというか…、」



「……」




一条で結構です…
あなたの妹です、槌谷さん




「言わないと何かしますよ?」



「……藤堂先生を出すのはずるい」




ははと翔太君は 笑った



「…こうしたらみちるさんが素直になりますからね、どうした?」



私の手を握った



「……一条さん、翔太君の言った通りだった。わたしの妹だったの。…父違いの」


「え……。」





「…今日てかさっき聞いたの。彼女から直接、」





混乱してる。
わたしの妹……




「……生きてたんだね、わたしのお母さん」



「…良かったって言った方がいい?」




翔太君はポツンと呟いた



「……分からない。急でびっくりしてるの、嬉しいのかな。…」



嬉しい?

悲しい…?



あんなに優しい
父を、私を捨てて


彼女は女優になり
新しい家庭を築いた…



その娘と会って
…嬉しいなんてない





嬉しくなんかない。