「槌谷、カメラは?……。」
「あ、すいません!」
「どうかしたか?」
千広先輩は聞いてきた
私は首をふる
「役者さんて色んな方がいるんだなぁて……」
「まぁそうだな。色んな人間がいるよ。例えば主役の神田さんとか市村さんとか癖は多少あれど演技は上手いからな。」
「…上手いと思いますか?」
千広先輩は
カメラをいじりながら答えた
「とくに神田さんはあの神田怜一さんの息子だからな。最近は益々彼に似てきたよ」
やっぱり 第三者から
見てもそう見えるんだ…
「…お話し中失礼、ちょっとみちる貸して下さい」
美帆が すっと入ってきた
「美帆?」
「…町谷。どうぞどうぞ、槌谷早めに戻ってこいよ」
美帆に引っ張られて
あたしはスタジオ
から連れ出された
「なによー、」
「あんたを連れてこいって、一条めぐみに言われたの。あんたに用事があんだって…」
一条めぐみ?
確か翔太君が言ってたような…

