「そうだな…いいほうに転んで良かったよ。あの人には誰かにお守りをしてもらわないと…」



お守り…かぁ。
工藤君がお守り…



「……そうだね。」


「……」






「神田さーん…ちょっといいですかぁー」



衣装の人が翔太君を呼んだ



「はーい。じゃまた…」
「うん。」




翔太君はなにか
言いたそうな目をしていた



なんとなく言いたいことは分かる



結婚…でも まだ
映画を撮っているから…














〈翔太目線〉




「水野さん…。」


「…あぁ神田くん、どうかしたの?」



「水野さんて結婚する時どうだったんですか?…」


水野さんはぽかん
とした顔をして苦笑した


「あぁ…すこし大変だったけど。僕がこういう仕事してるから迷惑はかけてしまうけど、でも一緒にいるならこの人がいいなって思ったから…、」


「……そうですか」



水野さんは パタンと
スケジュール帳を閉じた


「そう焦ることでもないと思うよ。」



「はい…」


「たしか親父さんが結婚されたのも25才だったからやっぱり、気になってしまうよね…。」




親父は25才で結婚した…
まだ若いと世間に
たたかれたけど母さんと結婚した