「シーン30、よーいスタート!」
『僕の名前は藤堂昴です、あなたは』
『わたしは四条瑠璃子です。藤堂様…』
撮影は快調に進む
「はい、カットー。次はー、えー、何だっけ墨田君。」
「とりあえず休憩ですね、」
演出の墨田さんは
眼鏡をかけ直しながら言った
「じゃあ休憩ねー。」
海江田監督の
のんびりした声が休憩を告げた
「…千広さん帽子被らないと風邪ひきますよ」
「ひかない。ひかない……、」
「…神田君ー、次ガラス落ちてくるから。気を付けてね」
「はい。」
ガラス…をかぶるって
「……槌谷?」
「あぁ、何でもありません。ジュース取ってきます」
大丈夫だよね…
今まで向こうの
映画とかに出たんだし…
うん…大丈夫大丈夫
「神田さん大丈夫ですかぁ…。ガラスかぶるなんて…」
「大丈夫だよ。一条さんも気を付けて…」
……。
「槌谷さん、紙コップ潰れてる…。」

