もう28なのに…








「……槌谷、町谷。歓談中悪いけど…」


「あ…千広センパイ。どーも、またみちるの心配ですかぁ」



千広先輩は、ははと苦笑した



「違う事もないけど、色男だな。神田(ヤツ)は…」


「先輩?」



ヤツ…って何かあったのかな


「…槌谷…別に俺に乗り換えてもいいぞ。お前に幻滅なんかしないからさ。」



「あぁ問題発ー言。千広センパイ相当、嫌いなんですねぇ。ヤツ(神田弟)が」



千広先輩はふっと笑った


「たしかに嫌いだな。…彼に似ているからな」


「彼…?」




「怜一さんだよ。」




































『――…』





怜一さんが…嫌いなんですか?




さっき話した
言葉を頭の中で繰り返す



いま撮影中だ。
わたしも黙って
撮影の手伝いをしている




神田怜一は若くて天性の
人を惹き付ける素質があった…



だから亡くなった後も
世に語り継がれる俳優になった…。





けど……裏ではたくさんの
人間が彼を妬んでいた…







妬んだ?



俺の親父も俳優だったんだ、