やっぱりそれか。
薄々勘づかれてた訳だ
「そうだよ。もう3年にもなる、今更やめるつもりはない。親には言ってある」
市村はそうなのかと言った
「…隠していてすまない。タイミングが…なんとなく無くて。」
「別にいい。」
市村は無表情でソファーに座った
「大変なんだな。お前も…後ろには名高い親父がいて…、期待されて。」
市村と向かいあう形でソファーに座った
俺は笑いながら言った
「…まぁな、仕方ないよ。期待されたら応えるのが当然だ。」
「そういや神田、今日お前のいとこが来てたよな。」
さや…
俺が頷くと市村は話した
「…"翔兄に彼女っポイ人いますか"って聞かれたんだけど。また断りゃいいのか、」
彼女……
はぁと息をはいた
爽もか…。
いい加減鬱陶しい…
けど身内だから
下手に突き放せない
「…まぁ彼女がいるんだし、断りゃいいんだよな。」
市村はすっと立ち上がった
「…悪い。市村…面倒かけさせて、俺からそれとなく言っておくから。」
「…わかった。神田、もう一つ聞いていいか?」
「何を、」
「お前は…」

