いつまでも美帆にわたしの心配ばかりさせてはいけない
―アンタを見ててあげる。ずっと幸せになるまで…
美帆がああ言った時わたしも思った。
美帆も幸せになれますように…て
「美帆」
「…何よ」
着替えながら美帆は呟いた
「お互い幸せになろうね。」
「……当たり前じゃない。なってやるわよ、幸せに」
下着姿で威張る美帆と笑い合った
幸せになる。
わたしも
わたしの幸せを願ってくれる彼女も…
〈翔太目線〉
部屋の前には市村がいた
「今晩わ。倉田先生、こんな真夜中に何の御用ですか?」
「…役柄口調で嫌味言わないでくれよ。憎たらしいったら、聞きたい事があって来たんだよ」
聞きたい事?
鍵をあけ市村を中に通した
「聞きたい事ってなんなんだ。市村…」
ベランダを開けながら聞いた
風が入ってきた
市村は ソファーに座らず立ったままだった
「神田、お前はカメラマンの人と恋人なんだろう?…」

