「一条さん…」
「…そんな露骨に喜んだ顔しないでよ恥ずかしっ」
「え…ははは。ちょっと嬉しくて……ありがとう」
一条さんは 顔を真っ赤にしながら言った
「あたしのことは好きに呼べばいいわ。めぐみだの何だの…」
「…めぐみさん……」
「…泣かないでよ。あたしが泣かしたみたいじゃない」
涙がにじんでいるのが分かった
「……うん」
“お姉さん”
恋人も友達もいる…
けどそう
呼んでくれる人はいない
家族…
ずっとわたしが欲しかった
もう取り戻せない繋がり
彼女が目の前に現れた時
わたしはずっとその事を考えていた
ずっと欲しかった繋がり
例え義理でも、
ずっと欲しかった。
〈美帆目線〉
「あら神田弟。」
「こんばんは、暇なんすか?相変わらず工藤さんと喧嘩しているんですか…」
神田弟は今日は珍しく
シャツに黒いズボンをきていた
ニコニコしながら聞いてきた
意地の悪い男だ…。
「うるさいわね。にしても…よく彼女連れて帰ってきたわね。駄々こねてみんな徹夜覚悟してたのよ」

