「……派っ手にやったなぁー。びびったぜ、神田ぁ」




「ありがとさん。」




神田は片手をあげた




「つっちには会ったのか?内緒で出たんだろ、怒ってるんじゃね」





「―かもしれないなぁ。電話もメールもないし…」




神田は雑誌をそこらに放った





「…余裕があるな、作戦でも考えてんのかよ」




あれから三年たって
神田は帰ってきた



あまり変わった
感じはないが


親父さんに
似てきた気がする




風格というか、
自然にしてても何か雰囲気が違う



当たり前か、
ここ三年海外で
映画にドラマに出ていた



世界を観てきだ差゙
というものなのだろうか





「作戦はないけど…さ。俺に余裕なんて全くないよ…」





「はいはい。」





「あー、蒸し蒸しすんなぁこっちは。」



「梅雨だからなぁ…。お前もうちょい早く帰ってくりゃ良かったんだよ」



喫茶店の窓ガラスに
雨がうつっていた