残されたのはバイ菌が二人。 「なんで何も言わないで行っちゃうのよ!」 「ふへー? だって俺様、どきんちゃんのためを思って……」 「あたしはっ! あんたがいなきゃだめなのッ!」 「へ、それって……」 「あんたが、好きなのよ……」 ひし、とオレンジ色の彼女は黒い彼を抱いた。 一つになる瞬間に、黒い姿の彼の匂いが肺いっぱいに広がっていく。 心地がいい。 懐かしい。 大好きな、大嫌いな、風呂を覗(のぞ)く彼の香り。 きっと、それは「愛おしい」の一言で説明ができるのだろう。