「鉄兄…」 健の腕に支えられながら俺の名前を呼ぶ美羽。 「健、美羽を頼む」 「あぁ… 鉄也お前は…??」 「ちょっと頭冷やしてくるわ。」 すぐに抱きしめたかったんだ。 でも、俺の事を恐れていた美羽の顔が頭から離れない。 「鉄兄… 」 名前を呼ばれると締め付けられる胸は、こんなにも美羽を求めてる。 「美羽…今は鉄也をひとりにさせてやれ。」 健の優しさを背中で感じながら病室を後にする。 過去から逃げ続けた俺は… まともに大輔の顔も見れなかった。