「美羽が…」 健の口から美羽の名前が出て来た時は血の気が引いた。 直接俺に連絡がないということは… 美羽が連絡できない状態にある。 そんな最悪な状態が想像出来た。 「美羽が…さらわれた。」 何言ってんのかわかってんのかよ。 俺は、健の胸ぐらを掴んだ。 『健さん… もしもし… もしもし…』 健が握りしめる携帯から聞き覚えがある声が聞こえてくる。