「行ってきます。」
「美羽。」
「うぅ…はぁ。 ってっ鉄兄///」
「全部上手くいくおまじない。」
「キス///しただけじゃん!!」
助手席のドア全開で…「行ってきます」って言ったあたしを鉄兄が呼びとめるから…
車内を覗き込んだ。
鉄兄が助手席の方に体を傾けてキス。
助手席全開。
学校前。
登校中の生徒の視線は…かなり痛い
「もう!! 」
怒ってみるけど… 鉄兄が笑うから… 怒れなくなる。
「頑張れ。」
「うん。」
車が見えなくなるまで見送って…
手でくちびるに触れる。
「全部上手くいくおまじない。」
そう言ってくれた鉄兄の言葉を信じたい。
深く息を吸って…
吐いてみた。
勇気出たかも。 一歩前に踏み出せるかも。
そう思って一歩前に歩き出したんだ…。
それなのに…前には進めなくて…
あたしの体に走った痛みと、引っ張られ、押し込まれる感覚。
あたし…
今…
勇気は恐怖に変わっていく。


