急いで車に乗り込み、走らせる。 信号が赤で停まる。 助手席で震える美羽の手を握りしめた。 「鉄兄… ごめんね。」 美羽が車の中で、口を開いたのはこの言葉だけだった。 俺は…きつく美羽の手を握りしめてやることしか出来なかった。 『大丈夫だから…』 『気にしなくていいから…』 そんな優しい言葉ひとつかけてあげられなくて… あの男について行った美羽を心のどこかで責めているのかもしれない。