「もちろん、やっちゃんだよ!」
「それなら何の問題もないよね」
「うん…」
その時幸子は康博に「同窓会に行くな」
そして「初恋の人には絶対に会うな」と言って欲しかったに違いなかった。
それ以来、幸子からの連絡がぱったりと途絶えた。
電話をしても留守電ばかりで、康博が
「心配してるから一度連絡下さい…」
とメッセージをいれても返事は帰って来なかった。
それは手紙を書いて出しても同じ事で、病院の寮の住所しか聞いてなかった康博は、幸子からの連絡を待つしかなかった。
あの時、「絶対に同窓会へは行くな!俺だけを見つめてくれ!」と幸子に強く言えばよかったと、康博は後悔した。
そして、きっと同窓会に出席して、初恋の人と何かあったに違いないと康博は直感した。
その感は当たっていて、同窓会の二次会でかなり酔っ払った幸子はつい寂しくて、初恋の人に身を任せてしまうのだった。
その事で康博に会いにくくなった幸子は、連絡をする事が出来ずにその初恋の男性と付き合いを始めたのだった。
(つづく…)

