すると手首を引っ張って、引き寄せられた。 耳元で囁く。 低くて甘いボイスが聞こえる。 そのたびに息がかかって、くすぐったく恥ずかしい。 言いたい事を言い終えると、顔を真っ赤にする私を置いて歩いて行く。 や、ヤバい。 心臓が口から出そう…。 しばらく、その場から動けなかった。 ――砂瑛の綺麗で可愛い顔、他の男に見せらんねぇからだよ――― そう、王子様は囁いてくれました。