体を壊したら、今までと何も変わらないから夜のバイトはやめて、喫茶店だけにした。

ちゃんと歩いていけるようにしなきゃいけない。

もう変わると決めたから。



「進路について、自分の考えを書いてくれ」

そう言いながら、何かを配る。

「夢はあるけど、こんな不安があるとか、何でもいいから自分の思いを書け」

そして、手元に届いたのは真っ白な紙だった。


「提出はいつでもいい。そのかわり必ず出してもらう」

それだけ伝えて、教卓の椅子に腰を下ろした広瀬先生。


2年生となると、やっぱり進路の準備が始まる。



「………将来か…」

夢なんか、何もない。……幼い頃は定番の、お花屋さんになりたい。とかあったけど…。


……夢か………。



結局、何も書けないままその時間は終わった。