『夜うぐいすとめくらとかげの話』
原題:Von der Nachtigall und der Blindschleiche


昔ある所に、それぞれ目玉を一つしか持たない夜うぐいすと盲(めくら)とかげが仲良く暮らしていました。

ある時、うぐいすは婚礼に招かれますが、自分の目が一つしか無いのが気になり、とかげに一日だけ目を貸してくれと頼みます。

とかげは承諾し、自分の目を快くうぐいすに貸しました。

うぐいすは両目で物を見ることができる素晴らしさを知り、翌日になってもとかげに目を返しませんでした。

そのため、2匹は仲違いし、以後、盲(めくら)とかげはうぐいすを恨むようになります。

しかし、うぐいすにとって空を飛べないとかげは怖くはありません。


だから、夜にうぐいすは「高いぞ、高いぞ」と鳴き、盲とかげは巣のある木の下に潜み、うぐいすの卵を襲うことがあるんだとさ。


おしまい