とりあえずみんなで先生の前に並ぶ。
キヨちゃんが号令をかけて
みんなでそれに続いた。

「お願いしますっ」

それに対して広内先生も会釈をすると
きりっとこっちに向き直った。

「えー、今見て思ったことを言うぞ。
 まず、有島。」

はい、と緊張したキヨちゃんの声。

まぁでも、なんてったって
キヨちゃんは次期部長候補だし
この中でも1番上手いから
なんにも言われないだろうな。

…とか思ったのは安易な考えだった。

「お前、肩が入りすぎ。
 それで力むからアウトしちゃうんだ」

きっぱりと広内先生はそう言ったのだ。

優しい言い方だったけど
きっと次期部長のプライドがある
キヨちゃんは傷ついたに違いない。