「…えーーーっっっ!?」

昼休み開始から僅か30秒。
伊久ちゃんの絶叫が教室に轟いた。

「なんでなんでなんでぇぇぇ!?」

今にも泣きそうな顔で
伊久ちゃんはだだをこねていた。

「なんでじゃない!
 わかってるだろお前成績やばいだろ!
 ほら、行くぞ」

原因は補習。
おせじにも成績が良いとは言い難い
伊久ちゃんは補習を受けることに
なってしまったらしい。
ずるずると担任に引っ張られていく。

3人でダブルスはできないため
本日の予定はあっけなく崩れた。

でも、予定のずれは今日だけではなくて。

そう、伊久ちゃんの集中力が
あまりにもなかったらしく
補習は毎日続いてしまったのだ。

おかげで1度も個人練習することなく
テスト期間は終了した。